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モンティ・ホール問題シミュレーター ― 直感に反する確率を体験で理解する

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モンティ・ホール問題を直感的に理解するためのシミュレーター。実際にドアを選んで遊べるほか、数万回の試行を一瞬で回して勝率の収束を観察でき、全パターンの場合分けで「なぜ変えると2/3で勝てるのか」を確認できます。

ドアの数

3枚のドアのうち、当たり(🎁)は1枚だけ。まずは好きなドアを1枚選んでください。

あなたの成績

変えなかったとき--.-%0 / 0

理論値 33.3%

変えたとき--.-%0 / 0

理論値 66.7%

成績は現在のドア数(3枚)でのものです。手作業では試行回数が足りないため、実測値は理論値から大きくぶれます。「シミュレーション」タブで数千回試すと、理論値にきれいに収束していく様子が確認できます。

Guide

「3つのドアのうち1つに賞品があります。あなたが1つ選んだあと、司会者がハズレのドアを1つ開けてくれました。さて、選び直しますか?」

答えは 「変えるべき」。変えれば勝率は 2/3、変えなければ 1/3 です。

……と言われても、多くの人は納得できません。「残り2枚なんだから 50% だろう」と感じるのが自然な反応です。実際、1990 年にこの問題が米国の雑誌コラムで取り上げられたとき、数学者を含む約 1 万通の抗議が編集部に届いたと言われています。

このツールは、その直感のズレを 説明ではなく体験で埋める ために作りました。3 つのアプローチを用意しています。

タブできること効く場面
体験する実際にドアを選んで 1 回ずつ遊ぶ問題設定そのものを腹に落とす
シミュレーション最大 10 万回を自動試行して勝率の収束を見る「本当に 2/3 なのか」を確かめる
なぜ 2/3 か3 通りの場合分けをすべて書き出す理屈として納得する

問題のルールを正確に押さえる

モンティ・ホール問題は、ルールをひとつでも取り違えると答えが変わります。正しい設定は次の通りです。

  1. ドアは 3 枚。1 枚の後ろに賞品、残り 2 枚はハズレ(ヤギ)。
  2. プレイヤーがドアを 1 枚選ぶ。この時点ではまだ開けない。
  3. 司会者は賞品の位置を知っている。
  4. 司会者は、プレイヤーが選ばなかったドアの中から 必ずハズレのドアを開ける
  5. プレイヤーは、最初の選択を維持するか、残ったもう 1 枚に変更するかを選べる。

3 と 4 が決定的に重要です。司会者がランダムにドアを開け、たまたまハズレだった場合は、勝率は本当に 50% になります。司会者が「知っていて、意図的にハズレを開ける」からこそ、その行為が情報を運んでくるのです。

なぜ「変える」が有利なのか

場合分けで確認する

あなたが 1 番のドアを選んだとします。賞品の位置は 3 通りで、それぞれ 1/3 の確率です。

賞品の位置司会者が開けるドア変えない変える
1 番(最初の選択が当たり)2 番 or 3 番⭕ 勝ち❌ 負け
2 番3 番(開けざるを得ない)❌ 負け⭕ 勝ち
3 番2 番(開けざるを得ない)❌ 負け⭕ 勝ち

3 通りのうち、変えて勝てるのが 2 通り。したがって 変える戦略の勝率は 2/3 です。これがすべてで、これ以上の説明は本来必要ありません。

直感的な言い換え

理屈は分かっても感覚が追いつかないときは、次の言い換えが効きます。

「変える」とは、最初の選択が外れていることに賭ける戦略である。

最初にドアを選んだ時点で、当たっている確率は 1/3、外している確率は 2/3 です。そして司会者がハズレを開けてくれるので、「最初に外していた」場合は、変えれば必ず当たります。つまり 2/3 の確率で起きる「最初のミス」が、そのまま勝ちに変換される わけです。

確率は「移動しない」

もうひとつのつまずきポイントは、「ドアが 2 枚に減ったのだから、確率も 1/2 ずつに再配分されるはずだ」という感覚です。

しかし、最初に選んだドアの当たり確率は 1/3 のまま動きません。司会者はあなたが選んだドアには決して触れないので、そのドアについて新しい情報は何も増えていないからです。一方、残り 2 枚が持っていた合計 2/3 の確率は、そのうち 1 枚がハズレと確定したことで、残った 1 枚に丸ごと集約されます

最初の状態:  [あなた 1/3]  [ 1/3 ][ 1/3 ]  ← 合わせて 2/3
                             ↓ 司会者がハズレを開ける
開示後:      [あなた 1/3]  [ 0 ][  2/3  ]  ← 2/3 が1枚に集約

100 枚のドアで考えると一瞬で分かる

それでも納得しづらい場合は、ドアの枚数を増やすのが最も効果的です。このツールの「体験する」タブでドア数を 100 枚に切り替えてみてください。

  • 100 枚のドアから 1 枚を選ぶ。当たる確率は 1/100。
  • 司会者が、残り 99 枚のうち ハズレ 98 枚をすべて開ける
  • 残るのは、あなたが最初に適当に選んだ 1 枚と、司会者が頑なに開けなかった 1 枚。

このとき「どちらも 50% だ」と感じる人はほとんどいません。最初の 1 枚がたまたま当たりだった確率は 1% で、残った 1 枚に 99% が集まっているのが直感的に見えるからです。

3 枚の場合も、構造はまったく同じです。ただ差が 1% 対 99% ではなく、33% 対 67% と小さいために、直感が働きにくいだけなのです。

シミュレーションで確かめる

「なぜ 2/3 か」タブの場合分けが正しくても、それがランダムな試行として本当に再現されるのかは別の話です。「シミュレーション」タブでは、実際に乱数でゲームを回して確かめられます。

このツールのシミュレーションは、確率の公式を使って答えを逆算しているわけではありません。毎回、

  1. 賞品の位置を乱数で決める
  2. プレイヤーの最初の選択を乱数で決める
  3. 司会者が開けられるドアの候補を列挙し、その中から乱数で開けるドアを選ぶ
  4. 戦略に従って最終的なドアを決め、当たりかどうかを判定する

という手順を、実際のゲームと同じ順序で実行しています。

試行を重ねるにつれ、推移チャートの実線(実測値)が破線(理論値)へ吸い寄せられていく様子が見えるはずです。これは 大数の法則 そのもので、100 回程度では大きくぶれる勝率が、10,000 回を超えると理論値からほとんど離れなくなります。

「体験する」タブで手作業のプレイを何回か試したあとにこちらを見ると、なぜ人間の実感が確率を捉え損ねるのか(試行回数が圧倒的に足りない)も同時に納得できます。

ルールが変わると答えも変わる

モンティ・ホール問題は、条件設定に極めて敏感です。よく混同される変種を挙げておきます。

司会者が賞品の位置を知らない場合

司会者がランダムにドアを開け、たまたまハズレだった場合。このときは変えても変えなくても勝率は 1/2 です。司会者の行為が情報を運んでいないためです。

「司会者がハズレを開けた」という同じ事実を観測しても、その事実がどういう手続きで生じたか によって確率が変わる。これがこの問題の本質的な面白さであり、条件付き確率を考えるうえで最も重要な教訓です。

司会者が意地悪な場合

「プレイヤーが最初に当たりを選んだときだけ、変更のチャンスを与える」ような司会者であれば、変更は必ず負けになります。問題文には「司会者は常に変更のチャンスを与える」という前提が暗黙に含まれています。

ドアが N 枚の場合

このツールでも扱っているとおり、N 枚のドアから 1 枚を選び、司会者がハズレを N-2 枚開けた場合の勝率は次の通りです。

戦略勝率N=3N=10N=100
変えない1/N33.3%10.0%1.0%
変える(N-1)/N66.7%90.0%99.0%

N が大きいほど「変える」の優位は圧倒的になります。

この問題から学べること

モンティ・ホール問題は単なるパズルではなく、実務にも通じる教訓を含んでいます。

  • 観測された事実だけでなく、それが生じた過程を問う。 同じ「ハズレが開いた」でも、司会者が知っていたかどうかで結論が変わります。データを見るとき、そのデータがどう選ばれ、どう集められたか(選択バイアス)を無視すると、簡単に誤った結論に至ります。
  • 直感は確率に対して構造的に弱い。 特に「情報が増えたときの確率の更新」は、訓練なしにはほぼ確実に間違えます。ベイズ更新を明示的に計算する習慣が有効です。
  • 納得できないときは、極端な例に振ってみる。 3 枚では腑に落ちなくても、100 枚にすれば一瞬で分かります。パラメータを極端な値に振るのは、直感を検証する強力な手法です。

まずは「体験する」タブでドアを 3 枚のまま何回か遊び、次にドアを 100 枚にしてみてください。その後で「シミュレーション」タブを 10,000 回実行すれば、頭と体感の両方で腑に落ちるはずです。